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毎日新聞−2000年1月27日


毎日新聞 2000.1.27

新聞記事の内容
大阪大大学院基礎工学研究科の菅滋正教授(固体電子物理)らのグループが、兵庫県三日月町にある大型放射光施設「SPring-8(スプリング・エイト)」を使って、固体内部で電子がどのような状態にあるかを明らかにすることに成功した。固体内部の電子の状態は超電導など物質の性質に密接に関係しているが、直接調べる方法がなかった。物性を調べる新たな「物差し」として、超電導物質の開発などへの応用が期待される成果で、27日発行の英科学誌「ネイチャー」に掲載される。
物質に高いエネルギーの光を当てると、電子のエネルギーが高まって外部へ飛び出す。飛び出すのに必要なエネルギーは、電子同士の相互作用など電子の状態によって決まるため、飛び出して来る電子エネルギーを測ることで、電子の状態を調べられる。
ただ、これまでは十分なエネルギーの光を当てられる装置がなかった。スプリング・エイトは従来より約10倍高いエネルギーの光を当てられることから、こうした測定が可能になった。
菅教授らは同じセリウムを含む化合物でありながら、超電導の示す化合物と示さない化合物の双方に放射光を当て、飛び出して来る電子を調べた。その結果、飛び出して来る電子のエネルギーに差が検出され、内部の電子の状態が異なっていることが分かった。

谷口雅樹・広島大理学部教授(固体物性学)の話
スプリング・エイトは、これまでにない高いエネルギーの光を発することができるため、物質内部の電子の状態を調べることができたのだろう。内部の電子の状態が分かれば、高温での超電導物質や、強力な磁力の開発に結びつけることができ、画期的な成果だと思う。


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