「SPring−8に設置される世界最高性能の挿入光源に用いられるこの真空チャンバーは、全てご指名でトヤマが製作することになりました。トヤマなら真空についても、加工精度についても一番信頼できる、というのが理由でした」
と、畑中は胸を張る。10-9Pa(10-11Torr)台という非常に高い真空度と、極めて正確な加工精度が要求される最先端の真空槽は、並みの真空チャンバーメーカーでは作れないものだ。設計力があり、真空にも強く、しかも高いレベルの加工技術を持つといった三拍子揃った集団はトヤマしかないという証である。
「フライス加工では、1回のセットで何面加工できるか、短時間にいかに高精度に削れるかという技術がものを言います。熱による変形をいかに少なくするかという問題も、事前に、設計、溶接、加工部門で議論しながら進めました」と言うのは、機械加工を担当した滝沢。
「実際にクライアントのところに出向き、どういう用途で使われ、どこが技術的なポイントなのかを自分の目で確かめて仕事ができるのもトヤマの強味ですね。実際に応力がかかる部分に弱い溶接をしてしまうとトラブルの元ですから、図面情報にない現場の目が大切になってくるのです。現場には加工、溶接、組立のプロというだけじゃなく、誰もが多能工であれ! マルチスペシャリストとなれ! というポリシーが根付いています」
と、細野。一人一人が装置の用途、目的を理解し、全体像を考えてつくる。これがトヤマの仕事のやり方だ。
「設計と現場のコミュニケーションととてもいいこと。これもトヤマの強味ですね」と、3人が口を揃えた。
■完成された真空封止型アンジュレーター用真空槽
1つ1つのフランジが実に精度よく仕上がっている。 |