●シンクロトロン放射光
(Synchrotron Radiation)
電子や陽電子を光速近くまで加速し、磁場の中で曲げると強力な電磁波(光)が発生する、これをシンクロトロン放射光(SR)と呼ぶ。リング型の高エネルギー加速器では電子や陽電子が周回軌道を回るように磁場をかけてその向きを変えるが、このときSRが発生する。また、最近では周回リング中の直線部分で電子や陽電子に周期的蛇行運動を行わせることによって、より高輝度のSRを取り出せる挿入光源も開発されている。SRは、指向性が強く、また赤外線からX線まで幅広い波長の光を含んでいるため、実験の目的に応じて適切な光だけを取り出して使うことができる。そのため、例えば超伝導物質の原子構造を探る、タンパク質の構造を解析するなど物質科学や生命科学の基礎的な研究には不可欠な存在となっている。また次世代の半導体などの超微細加工や医療技術への応用も研究・開発が進められている。最先端科学技術のフロンティアを照らし出す光、それがシンクロトロン放射光(SR)なのである。
写真:SPring-8(BL47XU)における最初のアンジュレータ光 / 1997年4月23日 日本原子力研究所・理化学研究所大型放射光施設計画推進共同チーム殿御提供 |